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2010.01.05

箱根駅伝…「5区・山上りの距離短縮」はナンセンス

箱根駅伝切手/風景印・芝局
1月2日と3日、箱根駅伝をテレビ観戦(3日は宮の森ジャンプ場での雪印杯ジャンプ大会の応援をしながら、ワンセグ機能付ケータイで観戦)。マスコミの報道では、2連覇に大きく貢献した東洋大・柏原選手が山登りの5区で他校と圧倒的な差をつけた走りをしたことで、5区だけで勝負が決まる状態は問題があるということで、5区の距離短縮などの見直しが検討されるかもしれない…とのこと。その前に、山登り区間で大差がついた原因をまずしっかり検証することが必要ではないでしょうか?

5区の距離が伸びた2006年(第82回大会)から今年・2010年(第86回大会)までの過去5年間で、5区・23.4kmを1時間19分以内で走った走者は、わずか3人(順大・今井選手(2006年、2007年)、早大・駒野選手(2008年)、東洋大・柏原選手(2009年、2010年))。今年・2010年は2位のタイムも1時間21分台で、1位とは4分以上の差。1時間19分を切って走るランナーの実力は、ほかの箱根駅伝に出場している選手と比較すれば、確かに少々あると言ってもいいかもしれません。しかし、トラックの10000mで比較した場合、2位の山梨学院大・大谷選手は持ちタイムが1分半、ハーフも3分以上離れていて、いわば「平地」とほぼ同じ差でしたが、3位の中央大・大石選手とは10000mで約1分差、ハーフだとほぼ同タイム、4位の駒澤大・深津選手とは10000mはほぼ同じ、ハーフは1分近く下回っていて、山上りでは大差がついてしまってます。

1位 東洋大・柏原(2年) 1:17:08/28:20.99/1:03:16
2位 山学大・大谷(4年) 1:21:16/29:47.22/1:06:38
3位 中央大・大石(3年) 1:21:30/29:16.36/1:03:04
4位 駒澤大・深津(4年) 1:21:47/28:24.17/1:02:31
(敬称略)

これは(1)上りにおける走り方、(2)ペース配分、(3)走る気持ち、これが1位と3位、4位と差が出てしまったことにより、平地での実力差以上の差がついてしまったのでしょう。
ただし、実際に速いタイムで走ったランナーがしっかりといるわけですから、そのランナーの走りを参考に、それに負けない、追いつけるような走りを目指すことをまずしていく必要があるでしょう。
そして、現在の区割りとなった2006年以降、11時間10分を切った大学は、

2006年 亜細亜大 11時間09分26秒(1位)
2007年 順天堂大 11時間05分29秒(1位)
2008年 駒澤大  11時間05分00秒(1位)
2008年 早稲田大 11時間07分29秒(2位)
2009年 東洋大  11時間09分14秒(1位)
2009年 早稲田大 11時間09分55秒(2位)

今年・2010年は優勝の東洋大ですら、11時間10分13秒と11時間10分を切ってません。その年の天候次第でタイムは大きく変動する要素があるので、単純に比較はできないにしても、昨年・今年と2連覇した東洋大がめちゃくちゃ強すぎるというよりは、ほかの大学のレベルが過去の記録と比較すれば少々下がっているという方が正しいと思います。4年前に優勝した亜細亜大は、今年のタイムが11時間41分07秒(最下位の20位)と4年前より30分以上、選手1人あたりでは3分以上、1kmあたりにすると8秒以上も遅い状態。まず比較すべきは今の柏原選手より昔のタイムでしょう。
そもそも、山登りで東洋大・柏原選手に負けた19人の選手がどう思ったか…これで陸上競技を引退する選手もいるでしょうけど、来年以降も出場を目指す選手にとって、同じ大学生なのに大差をつけられて悔しいと思うか、実力差がありすぎるので仕方ないと思うか…その思いによって、これからの走りも変わってくるでしょうし、負けてベンジしたいと思うからこそ、飛躍ができるんだと思います。大差はもちろんいっぺんに詰めることはできないにしても、いかに詰めることができるかを考え、実行に移す…挑戦することが今後につながると思うんですよね。
早大・渡辺監督は「箱根には山登りのスペシャリストがたくさん出てきたが、長い歴史の中で山登りができて平地でも走れるという選手は1人もいない」と指摘していますが、それは今まで山登りに強い選手を投入していなかっただけとも言えます。それが順大・今井選手、東洋大・柏原選手が山登りに挑戦して、平地で競えば20kmで1分くらいの実力差でも、5区の山登り区間だと3分、4分と差がついてしまう状態となり、このような「騒動」になっているだけだと思います。
そして、5区の距離が伸びる直前、20.9km時代の最終年の2005年(第81回大会)で、「初代・山の神」順大・今井選手が1時間09分12秒の大会新記録で区間1位となってますが、そのときの2位とのタイム差は3分38秒。決して距離を元に戻しても、山上りに強いランナーが5区を走った場合、大差がつくことには変わりがないということです。だから、距離を元に戻すという話はナンセンスです。なお、1981年(第57回大会)では、1位1時間13分24秒、2位1時間14分22秒と約1分差、そして3位が1時間17分25秒と1位とは約4分差、2位とも約3分差と大差がついた年もあります。要は山上りはそもそも差がつきやすいということなんです。その山上りの区間に元々走力があり、かつ上りが得意なランナーが出れば、大きなアドバンテージをつけることができる…勝負に徹するならそういうランナーを5区に起用することで、優位にレースを展開させる、普通に考えれば当然の作戦といえます。
あと、箱根駅伝の日テレ中継、1号車(先頭)で解説をしていた瀬古利彦さん(早大卒)は、1979年、1980年の3、4年生のときに「花の2区」を走り、2回連続区間新記録で区間1位。そして2年連続で2位とのタイム差が3分以上のぶっちぎり。しかし、早大はその貯金を生かしきれず、総合優勝はしてません。2連覇した東洋大は、貯金をしっかりと生かした走りができているということで、ほかの選手の走りも素晴らしいの一言なのに、5区で大差がついたこと自体を問題視しているのもヘンな話です。1区間で3分以上の大差をつけても、ほかの9人のランナーも実力がなければ優勝なんてできないのです。柏原選手以外の9人のランナーはすべて区間10位以内で、ブレーキの走りをしたランナーはゼロ。復路は大きなアドバンテージがあって、精神的にも余裕をもって走ることができた部分があったにせよ、全員がきっちりと自分の役割を果たして走ったことはホントに素晴らしいの一言です。
今回の箱根駅伝でもテレビ画面を通してですが、いろいろと感動を受けました。特に感動したのは、昨年の大会で8区走行途中、カラダに異変が起こって無念の途中棄権となってしまった城西大・石田選手が7区で区間2位の激走で、城西大初のシード権獲得に大きく貢献したシーンは特に大きな感動でした。途中棄権といえば、2年前の山登り(5区)で順大・小野裕幸選手が芦ノ湖のゴール手前500mで体調不良により無念のリタイア。その雪辱を晴らすべく、昨年・2009年も同じ5区・山登りに挑み、東洋大・柏原選手に続く区間2位の1時間19分56秒の快走(この年の順大は23チーム中の19位と惨敗。小野選手を除く9選手はすべて区間2ケタ順位なだけに、チームで唯一気を吐いた走りでした)。そして、社会人となった今年・2010年の元日、ニューイヤー駅伝で日清食品グループのアンカーで出場。チーム初優勝となるゴールテープを切っています。これはドラマでもなかなかかけないほどのドラマチックな出来事で感動しました。駅伝における途中棄権は選手にとって、非常にツライ思いでしょうが、それを乗り越えたとき、数段たくましく成長しているハズです。スポーツで成長するには「失敗」を生かして、いかに乗り越えるか…だと思います。
スポーツは上辺の順位とかタイムだけじゃなく、それまでに至る「経過」を踏まえて競技を見ていくと、奥深く見ることができます。表情ひとつで、どういう思いで走っているのか、ちょっとだけですがわかるような気がしてしまいます。それがスポーツ観戦の面白さですよね。競り合いしているとき、相手の表情を見て、疲れ具合などを判断し、勝負に挑む駆け引きなど、これぞスポーツの醍醐味…というシーンを何度も見させてもらいました。また来年もいろんな感動の場面をぜひ見たいですね。そして、自分自身も選手の走り、思いからいろいろと学んで、生かしていきたいです。
今年・平成22年用の寄附金付絵入り年賀葉書東京版が「初春の芝・箱根駅伝」(増上寺・東京タワー前を通過する箱根駅伝ランナーが描かれているデザイン)ということで、20世紀デザイン切手第4集「箱根駅伝始まる」切手(1999年12月22日発売)を貼り、郵頼にて芝郵便局風景印(図案:増上寺、東京タワー)を押印してもらいました。
平成22年用絵入り年賀葉書「春の芝・箱根駅伝」
私も2ヶ月後の2月28日、「東京マラソン2010」で同じところ(増上寺前)を走るので、今から非常に楽しみです!

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